ご挨拶

 この度、日本喘息学会主催 第3回気道アレルギー実習セミナーを令和6(2024)年2月18日(日)に大阪市で開催することになりました。本セミナー受講が「喘息専門医」の令和5(2023)年度申請分より、取得要件の一つに加わりましたので、ますますセミナー内容の充実が求められているところです。

 さて1990年代以降、喘息は好酸球を中心とする慢性気道炎症性疾患であることが、ガイドラインなどで広く医療従事者に認識されたことで、吸入ステロイド薬(ICS)やICSと気管支拡張薬の配合剤が普及し、喘息入院患者数や喘息死数は激減しました。しかしながら、実際の喘息コントロール状況は十分ではなく、増悪する患者が多いことが最近報告されました。増悪を繰り返すと、喘息患者の社会経済負担が大きくなるのみならず、疾患自体のfuture riskも高まってしまいます。また、喘息患者の5~10%は難治性であり、医療従事者はそのコントロールに難渋しています。このような状況下において本学会員は、喘息の検査・診断・治療と管理、喘息と深くかかわる鼻副鼻腔疾患併存の有無確認と治療、吸入指導、生物学的製剤の適応と使用法などを理解して実践しなければなりません。

 本セミナーは、小児から高齢者まで、喘息を中心とした気道アレルギーの臨床に携わる医師のみならず、全医療従事者を対象に、気道アレルギーの基本的かつ最新の知識と技能を学んでいただき、全国的に、より良い気道アレルギー医療の提供ができることを目的としています。
 そのため、今回も過去2回のセミナーと同様に、受講者の気道アレルギーの臨床経験の違いを考慮して、基礎コースと臨床応用コースに分けました。両コースでは気道アレルギー医療で重要な、喘息診療実践ガイドライン(PGAM)、臨床検査(呼吸生理、誘発喀痰)、吸入指導、生物学的製剤、上気道などをテーマに選びました。テーマごとにエキスパートによる講義や実習が行われ、効率よく一日で学べるようなプログラム構成にいたしました。

 本セミナーがご参加いただいた皆様方の、気道アレルギー疾患の日常臨床の向上にお役に立てれば幸いです。

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